ウォーターシネマダイアログ

 

国分寺上映会@おたカフェ(4月3日・4日)&カフェスロー(4月3日)



主催よりメッセージ

 
『ブルーゴールド』国分寺上映会
十数年前の学生の頃、ペットボトルウォーターをバックパックのサイドポケットに差しこんで世界を飛び回るトラベラーの姿にずいぶんと憧れたものです。その光景は水道水の危険性とファッション性も後押しして今の日本ではあまりに自然なものとなりました。
 
生活の中でも、『あっ、今日は5円安い!』とドラッグストアの特売ポップを見ては2リットル入りペットボトルを6本、12本とケースで買ってしまいます。
無意識にこれほど水を買うようになることを小さい頃は想像もしませんでした。
 
『ブルーゴールド』はそんな当たり前にある水の世界を、私たちには普段見ない角度から明らかにしようと撮影・制作されたドキュメンタリー映画です。
 
もともと別のSF映画を作るために資料集めや企画を練っていたサム・ボッゾ監督がなぜ方向転換してまでこの映画を作ったのか。半ば命がけで撮影をし、作品化したのか。
 
それは『ブルーゴールド』を観ると伝わってきます。
 
 

まずは知ることから

ドキュメンタリー映画はメッセージ性が強いほど表現手法に偏りがでてしまうことがあります。伝えたいことがあるためそれは当然なことなのですが、事実のある一側面だけをクローズアップしすぎると他の視点に盲目的になりかねません。自主上映作品を選ぶ際、そのバランスも考慮して判断します。
 
2009年の終わりごろからよく話題に上がっていたこの作品ですが、公開初日の1月16日には監督の来日もあり話を聞くことができました。
映画制作のきかっけ、撮影意図、問題提起とその解決法、監督の本音トークなどを聞いて共感したことがたくさんありました。
作品img

なのでそれを一人でも、少しでも多くの方と共有できるよう上映会をしたいと思います。
 
まずは知ることから。
疑問がわいたら調べたり考えたり、
それからモノゴトを判断していけばいいんだと思います。

映画を観る前でも観た後でも『水関連』お薦め本

『ブルーゴールド』関連本、勝手にBEST5 by 山本

「水」戦争の世紀

 

  • 監督の映画制作きっかけ本。『ブルーゴールド』はこの本のドキュメンタリー映画といってもいいのかもしれない。淡水資源の事、ウォータビジネスの背景、私たちがどうやって水を守っていくのかなど分りやすく書かれており、「水の安全保障のための十カ条」で締めくくられています。
『水ビジネス』

 

  • 「世界と日本の水問題」と題して、映画『ブルーゴールド』の解説をしている吉村 和就先生の本。(グローバルウォータ・ジャパン代表) 世界の水ビジネスの見方とその中での日本の立場や可能性に関して解説しています。日本人がどう水と関わっていくかを考えるのに適した一冊です。
『ウォーター・ビジネス』

 

  • 農業、遺伝子組み換え食品、狂牛病、日本の食卓事情など「食」の安全性について書くことが多かった中村先生の本。現場取材を通して書かれているので、水資源争奪戦の現場や市場について、穀倉地帯の地下水のこと、牛丼一杯の背景など具体的な事例が豊富です。水は一体誰のものかを考えるお薦め本です。
『水戦争』

 

  • 産業政策・国際商品市況分析の専門家の視点で水資源を解説。データが数字で語られるので読んでいて肩が凝ってしまうが説得力があると思う。穀物貿易の話が多いが、「仮想水」、「間接水」と訳される「ヴァーチャルウォーター」(国内食糧生産に必要な水)から国内の水問題を提起しています。
『水とはなにか』

 

  • 「水戦争」や「ウォータービジネス」とは関連しませんが、そもそもの水とはどういったものなのかを構造的に解説。またヒトの体の中での働きなどにも触れており、水の神秘性を改めて感じさせる一冊です。文系の私には難しい内容がでてきましたが、それでも水に興味のある方には一読をお薦めします。

美味しい水を安心していつまでも飲んでいたい。

 
 

 
 
現代人
 
   水を汚して
 
       水を買う
 
 
(※第十六回、第一生命 サラリーマン川柳コンクールより)

 
 
これは上記紹介、『ウォーター・ビジネス』中村 靖彦(著)の冒頭で始まる引用です。
 
う~ん、なんとも、『痛い』川柳です。
 
確かに私たちは自然と命の善循環を乱してきたように思います。
でも、それは汚そうとして、汚したくて、
乱そうとして、乱したくて、日々の生活を営んできたわけではないと思います。
知らず知らずに、無意識に、なんの気なしに日々の生活で善循環を壊してきたんだと思います。
 
自然の循環や健康は問題になってからそれを変える、元に戻すということはとっても難しいです。
 
だから今ある状態が長く続くように、、、そして少しずつでも良くしていけるように、、、
 
知ろうとして意識的に生活していかなければいけない時期にきているんだと思います。
 
そして水は地球の全ての生命体の共有財産(コモンズ)であって、一部のグローバルな組織に独占されるものじゃないと思います。
 
水は地球の全ての生命体の共有財産
願うことは単純。
 
『美味しい水を安心して飲んでいたい。』
 
『いまも、次の世代も、その次も、、、いつまでも。』
 
『ブルーゴールド』はそんなことを考えさせられる映画です。
 
 
去年10月に国分寺の名所『お鷹の道』にできたおたカフェとカフェスローにて上映会を行います。
ご家族・ご友人をお誘いのうえお越しくださいませ。お待ちしております。
 
 

2010.3.10.山本コヲジより